AIに相談しながら、家族用の記録Webアプリを作りました。
体調や日々の様子を記録して、家族の中で共有するための小さな仕組みです。 技術的には、一般公開できそうなところまで形になりました。
でも、公開しないと決めました。
この記事では、非エンジニアの私がAIでWebアプリを作ってみて、なぜ「一般公開しない」という判断にしたのかを書きます。
非エンジニアでも、AIを使えばどこまで形にできるか
家族用アプリを一般公開しないと決めた理由
健康情報のような重い情報を扱うときに考えること
作ることと運営することの違い
まず、判断の流れを先に見る

ここで一番大事なのは、「作れた」ことと「公開して運営できる」ことは別だと気づいたことでした。
家族のために、小さなWebアプリを作った
きっかけは、家族の体調や日々の様子を、あとから振り返りやすい形で残したかったことです。
紙のメモはどこかに行きやすい。
LINEのやりとりは流れていく。
「あれ、前はどうだったっけ」が、必要なときにすぐ出てこない。
市販のアプリも見ました。 でも、機能が多すぎたり、広告が気になったり、うちには少し合いませんでした。
それなら、自分で必要なものだけ作れないだろうか。 そう思って、AIに相談しながら作り始めました。
非エンジニアがAIと一緒に、どこまで作れたか
私はエンジニアではありません。 HTMLを少し読めるくらいで、本格的にWebアプリを作った経験はほとんどありませんでした。
それでも、AIに
- こういうものを作りたい
- ここでエラーが出た
- この作り方で大丈夫か
と相談していくうちに、少しずつ形になっていきました。
- ログインして本人確認する仕組み
- 記録をためておく場所
- 入力画面
- 一覧で見返す画面
- AIによる要約
- スマホでも使いやすい表示
認証=ログインして本人確認する仕組み/データベース=記録をためておく場所/スマホ対応=スマホでも見やすく使えるようにすること
数週間で、家族の中で実際に使える状態になりました。 正直、自分でも驚きました。 「作れてしまった」というのが、あのときの率直な感覚です。
一般公開も、一度は考えた
ここまで形になると、欲が出ます。
「同じように困っている人にも使ってもらえるのではないか」
家族だけでなく、他の人にも使ってもらう。 月額で使ってもらうWebサービスにできるかもしれない。いわゆるSaaS化です。
技術的には、できそうでした。 利用者ごとに情報が混ざらないようにして、新規登録できるようにすれば、形にはなる。
でも、そこで止まりました。 止まった理由が、この記事の本題です。
公開しないと決めた3つの理由

1. 健康情報を預かる責任が重い
このアプリで扱うのは、体調や日々の様子に関する情報です。
家族の中だけなら、自分たちの記録を自分たちで扱っているだけ。 でも、他人の情報を預かるとなると、話はまったく変わります。
情報が漏れたらどうするか。 消してほしいと言われたらどう対応するか。 サービスをやめるとき、記録をどう返すか。
ここまで想像したとき、はっきり分かりました。 この重さを個人で引き受けるのは、無理だと。
2. サポートは、作った後もずっと続く
一般公開したら、作って終わりではありません。
「ログインできない」 「画面がうまく開かない」 「記録が見つからない」 「こういう機能もほしい」
問い合わせは、必ず来ます。
記録アプリの場合、「記録が消えたかもしれない」はかなり重い話です。ただの不具合ではなく、信頼の問題になります。
3. 作る力と、運営する力は別だった
AIのおかげで、非エンジニアでも形にできる時代になりました。 これは本当に大きな変化です。
でも、作ることと、運営し続けることは別でした。
運営には、
- 情報を守る仕組みを見直し続けること
- 使っている部品や仕組み(依存ライブラリ)の更新
- 利用ルールやプライバシーポリシーの整備
- 不具合が起きたときの告知や対応
が必要です。
このあたりは、AIに聞けば一回で終わる話ではありません。継続して面倒を見る仕事です。
家族用で使う場合と、一般公開する場合は別の話だった

家族用なら—— 使う人が限られる。自分たちの情報だけを扱う。不具合は自分で対応する。リスクの範囲が小さい。
一般公開すると—— 他人の情報を預かる。問い合わせに対応する。継続対応が必要になる。責任の範囲が広くなる。
ここが、自分の中では決定的な違いでした。
公開するかどうかを判断する基準
公開するか考えるときの判断ポイント

これから何かを公開しようと考えるなら、少なくともこの4つは見ておいてください。
- 扱う情報は重いか
- 継続対応できるか
- 問い合わせに応えられるか
- 終わり方まで考えられるか
判断の軸はひとつです。 「作れるか」ではなく「責任を持てるか」。
公開しない=失敗ではない
このアプリは、今も家族の中で使い続けています。
体調や日々の様子を記録して、あとから振り返れる。 必要なときに、過去の流れを見返せる。 それだけで、十分に役に立っています。
だから、公開しないからといって失敗ではありません。
むしろ、どこまでなら自分で引き受けられるか、どこから先は責任が重すぎるかを考えたうえで、止まる判断ができたことに意味があったと思っています。
まとめ:作れるかより、責任を持てるか
非エンジニアでも、AIに相談しながらWebアプリを作れる時代になりました。
でも、作れることと、一般公開して運営することは別です。 健康情報のような重い情報を扱うなら、なおさらです。
私は、家族用のまま使い続けることを選びました。 そして、その判断は間違っていなかったと思っています。
アプリそのものは公開しません。 でも、AIにどう相談したか、どこまで作れたか、どこで止まると判断したかという過程は、同じようにAIで何かを作ろうとしている人の参考になるかもしれません。
だから、こうして残しておきます。