AIと一緒に、家族用の記録アプリを作ってみました。

大きなサービスではありません。 誰かに売るためのアプリでもありません。

家族の中で必要な記録を、あとから見返しやすくするための小さなアプリです。

でも、この「自分たちのための小さな道具」を自分で作れたこと。 ここに、AI時代の個人開発のおもしろさが詰まっていると感じています。


作ったのは、家族の記録を残すための小さなアプリ

作ったのは、日々の様子や気になったことを記録して、あとから見返せるようにするアプリ。 言ってしまえば、それだけのものです。

でも、家族のことって、日々の小さな変化が大事だったりします。

そのときは覚えているつもりでも、数日たつと細かいことは忘れている。

「いつからだったか」 「前にも同じことがあったか」 「この日はどうだったか」

これをあとで振り返れるようにしたかった。 だから、家族の中だけで使える記録の場所を作ることにしました。


なぜ既存アプリではなく、自分で作ったのか

記録するだけなら、既存のメモアプリや日記アプリでもできます。 正直、最初はそれで済まそうとしました。

でも、小さな「合わない」が積み重なるんです。

  • 家族用として使いやすい形にしたい
  • 必要な項目だけに絞りたい
  • 余計な機能はいらない
  • あとから見返す流れを自分たちに合わせたい
  • 外部公開する前提にはしたくない

ひとつひとつは些細な希望です。 でも、全部かなえてくれる既存アプリは、見つかりませんでした。

ゼロから完璧なものを作るのは大変です。 でも、AIと一緒なら「自分たちに必要な最小限の形」なら作れる。

すごいアプリを作ることが目的ではありません。 自分たちの生活に合った、小さな道具を作ることです。

家族用の記録アプリを既存アプリではなく自分たち用に小さく作る理由を示した図。左側には既存アプリの特徴、右側には家族用アプリの特徴が並んでいる


AIと一緒に作ると、考えながら形にできる

AIとの個人開発のおもしろさは、考えながら形にできることです。

完璧な仕様書は要りません。

「こういう記録を残したい」 「家族だけで使いたい」 「スマホでも入力しやすくしたい」

この程度の希望を出すと、AIが整理を手伝ってくれます。

どんな画面が必要か。どんなデータを保存するか。誰が使うのか。安全面で気をつけることは何か。

AIと会話しながら詰めていく。

これ、ひとりで紙に書いて考えるより、明らかに進みます。 ぼんやり考えていたことを、AIがいったん形にしてくれる。 その形を見て、「ここは違う」「これは必要」「これはいらない」と判断できる。

個人開発で一番効いたのは、この往復でした。


作る前に決めたこと

作る前に、ひとつだけ先に決めたことがあります。

このアプリは、最初から一般公開しない。

理由は、家族の記録には、外に出すべきではない情報が含まれるからです。

誰でも登録できるサービスにはしない。 家族だけが使う。

この線引きを先に決めたことで、作る範囲も一気に明確になりました。

公開しないと決めた詳しい背景は、こちらの記事で整理しています。

→ AIで作ったWebアプリを一般公開しなかった理由


一般公開しないからこそ、作れるものがある

個人開発というと、「公開する」「使ってもらう」「収益化する」という方向に考えがちです。

でも、一般公開しないからこそ作れるものがあります。

家族用の記録アプリに、万人向けの機能は要りません。 家族が使いやすければいい。自分たちが見返しやすければいい。 余計な説明も、広告も、複雑な設定も、ゼロでいい。

使う人が限られているから、画面も機能も小さくできる。

これは、仕事のExcel改善に似ています。 世の中の全員に向けた大きなシステムではなく、目の前の現場で使える小さな道具。 実際に役に立つのは、たいてい後者です。

AI時代の個人開発は、大きなサービスを作ることだけではありません。 自分や家族、身近な人のために、必要なものを小さく作る。 それも、十分に意味のある開発です。

一般公開するアプリと家族だけで使うアプリの違いを比較した図。左側には一般公開の特徴、右側には家族用の特徴が並んでいる


作ってみて感じた「車輪の再発明」の意味

家族用の記録アプリなんて、世の中に山ほどあります。 メモアプリも、日記アプリも、健康管理系のアプリも。

「それ、既存アプリでよくない?」

そう思われるかもしれません。 作る前の私なら、そう言っていたかもしれません。

でも、自分で作ってみて分かったことがあります。

仕組みが分かる。 必要な機能と不要な機能が見えてくる。 セキュリティや公開範囲について、自分ごととして考えられる。

これは、既存アプリを使うだけでは絶対に得られない経験でした。

もちろん、何でも自作すればいいわけではありません。 既存サービスのほうが安全で便利なことも多い。

それでも、AIと一緒に小さく作ってみる価値はあります。 「作ってみること自体の意味」は、AI時代にむしろ大きくなっていると感じます。

作ってみる意味については、こちらの記事でも詳しく整理しています。

→ AIで開発するなら、車輪の再発明でもいいから一度作ってみる


AIに任せきりにしないことも大事

AIと一緒に作ると、かなりの部分を助けてもらえます。

画面のたたき台。データベースの構成。認証まわりの考え方。実装コード。エラーの原因調査。

ただし、任せきりにしてはいけない部分があります。

家族の記録のようなプライベートな情報を扱うなら、なおさらです。

  • 誰が見られるのか
  • 外部からアクセスできないか
  • ログインは必要か
  • データはどこに保存されるのか
  • 誤って公開される可能性はないか

ここは、「AIがコードを書けるから安心」ではありません。 人間側が方針を決めて、確認する部分です。

AIは作業を進める力になる。 でも、何を守るかを決めるのは人間。

この役割分担だけは、最後まで崩しませんでした。

AIと一緒に家族用の記録アプリを作るときの役割分担を示した図。左側にはAIの役割、右側には人間の役割が並んでいる


個人開発は、暮らしの中の不便から始めていい

今回のアプリを作ってみて感じたのは、個人開発はもっと身近なところから始めていい、ということです。

すごいアイデアでなくていい。 大きなサービスでなくていい。 誰かに見せる前提でなくていい。

自分や家族が少し助かるもの。 あとで見返せるもの。 毎日の小さな不便を減らすもの。

それをAIと一緒に小さく作る。 それだけで、学びは十分にあります。

「何を作るか」よりも、「なぜそれが必要なのか」。 「公開するか」よりも、「誰のために使うのか」。

この順番で考えると、個人開発のハードルは、すっと下がります。


まとめ:AI時代の個人開発は、公開しない小さな道具でもいい

家族用の記録アプリを作ってみて、あらためて感じたこと。

個人開発は、世の中に公開するサービスでなくてもいい。 自分や家族のために小さく作るだけでも、意味がある。 むしろ、扱う情報によっては、公開しないほうがいい。

大切なのは、何を作るかだけではありません。

誰のために作るのか。 どこまで使うのか。 何を守るのか。 作ることで何を学ぶのか。

そこを考えながら、AIと一緒に形にしていく。

こういう身近な個人開発こそ、AI時代らしい使い方のひとつ。 私はいま、本気でそう思っています。

よくある質問

プログラミング経験がなくても、AIと一緒にアプリを作れますか?
作れます。AIにやりたいことを伝えれば、コードを書いてもらえます。ただし、何を作りたいか・誰が使うかを自分で整理しておくことが大切です。
家族用のアプリを作るとき、セキュリティは大丈夫ですか?
家族の情報を扱う場合は、一般公開せず自分たちだけが使える形にするのが安心です。認証をつけたり、アクセスを制限する方法もAIに相談できます。
個人開発は公開しないと意味がないですか?
公開しなくても意味があります。自分や家族の不便を解消するだけでも十分です。むしろ、扱う情報によっては公開しない方がよい場合もあります。
最初に何を作ればいいか分かりません。どう決めればいいですか?
「毎日ちょっと不便だな」と感じていることから始めるのがおすすめです。大きなサービスではなく、自分の身の回りの小さな困りごとを解決する道具が作りやすいです。
AIに作ってもらったアプリが動かないとき、どうすればいいですか?
エラーの内容をそのままAIに貼って聞けば大丈夫です。原因と修正方法を教えてくれます。一度で完成しなくても、やり取りしながら直していけます。