AIのおかげで、非エンジニアでもアプリやツールを作れるようになりました。
コードを書けなくても、ChatGPTやClaudeに相談しながら、画面を作って、データを保存して、エラーを直す。 本当に大きな変化です。
ただ、実際にAIで個人開発をやってみて、途中で気づいたことがあります。
大事なのは、技術を知っていることではありませんでした。
何を解決したいのかが、はっきりしていること。 こちらのほうが、何倍も大事でした。
「何となくアプリを作りたい」 「AIで何か作ってみたい」
この気持ちだけでも始められます。 でも、作っている途中で必ず迷います。
どんな画面にするのか。どんな機能を入れるのか。何を削るのか。どこまで作れば完成なのか。
ここが決まっていないと、技術より前の段階で止まるんです。
この記事では、個人開発で大事なのは技術より「何を解決したいか」だった、という話を非エンジニア目線で整理します。

個人開発は、技術から入ると迷いやすい
個人開発というと、まず技術を考えたくなります。
どの言語を使うか。どのフレームワークにするか。データベースは何にするか。認証はどうするか。
いかにも開発っぽい話です。 私も最初、ここから考え始めて、見事に迷子になりました。
技術の選択肢は多い。 考え始めると、いくらでも悩めます。
でも、一番大事な問いは「何を使って作るか」ではありません。 **「何を解決するために作るか」**です。
家の中の困りごとを記録したいだけなら、最初はスプレッドシートでも十分かもしれない。 自分だけが使うメモアプリに、ログイン機能は要らないかもしれない。
技術から入ると、作ること自体が目的になります。 課題から入ると、必要な形が見えてきます。
「作りたいもの」より先に「困っていること」を見る
「記録アプリを作りたい」「タスク管理アプリを作りたい」。
それでもいいんです。 でも、もう一歩手前で、「なぜそれを作りたいのか」を見てください。
同じ「記録アプリを作りたい」でも、理由はいろいろあります。
- 毎日の様子を忘れてしまう
- 家族と情報共有しにくい
- あとから見返しにくい
- 紙のメモが散らばる
困りごとが違えば、必要な機能も変わります。
単に記録できればいいのか。日付ごとに見返せる必要があるのか。家族で共有するのか。
アプリ名だけでは、ここまで分かりません。 だから、テーマを決めるときは「アプリ名」ではなく**「不便」**を見ます。
最初に考えるのは「誰の不便か」
最初の問いは、誰の不便を解決したいのかです。
自分か。家族か。職場の同僚か。
誰のために作るかで、必要なものが変わります。
自分だけが使うなら、自分が分かればいい。 見た目が雑でも、操作が多少分かりにくくても、動けば使えます。
でも、家族や同僚が使うなら、そうはいきません。 説明しなくても使える画面。間違えにくい入力欄。迷わないボタン。
以前、AIでWebアプリを作ったあとに一般公開しないと決めた理由について書きました。
→ 非エンジニアがAIでWebアプリを作ったあと、一般公開しないと決めた理由
あのときの判断軸も、結局「誰に使ってもらうか」でした。 自分や家族のためのツールか、誰でも使えるサービスか。その違いで、責任の重さまで変わります。
次に「何に困っているか」を分ける
誰の不便かが見えたら、次は何に困っているかを分けます。
ここを曖昧にしたまま作ると、機能が無限に増えます。
「家族の記録を残したい」だけでは広すぎる。 本当に困っているのは何か。
- 入力を忘れることなのか
- どこに書いたか分からなくなることなのか
- 家族で共有できないことなのか
- あとから探せないことなのか
入力忘れが問題なら、通知や入力しやすさが大事。 探せないことが問題なら、検索や一覧が大事。 共有が問題なら、複数人で見る仕組みが必要。
困りごとを分けないと、何を作ればいいか決まりません。 逆に、はっきり分ければ、最初に作るものは自動的に決まります。
そして「どう楽にするか」を考える
不便が見えたら、最後にどう楽にするか。 ここで初めて、機能の話になります。
- 入力が面倒 → ボタンを減らす
- 探しにくい → 日付やタグで見られるようにする
- 共有しにくい → 家族が同じ画面を見られるようにする
- 続かない → 毎日開きやすい画面にする
不便から機能に落とす。この順番です。
個人開発では、機能を増やすことより、使い続けられることのほうがずっと大事です。
どんなに高機能でも、使われなければ意味がない。 機能が少なくても、不便をしっかり減らせるなら、それは良いツールです。

技術先行だと、機能が増えやすい
AIで開発していると、技術的にできることがどんどん増えます。
AIに聞けば、「この機能も追加できます」「通知もできます」「グラフも出せます」と提案してくれる。
便利です。 便利ですが、全部入れたら、ツールは確実に重くなります。
技術から入ると、作れるものを作りたくなる。 課題から入ると、必要なものだけ作る判断ができる。

目的が「毎日の記録を忘れず残すこと」なら、最初に要るのは入力しやすい画面。 きれいなグラフや高度な分析は、あとでいい。
課題がはっきりしていれば、この優先順位が迷わず付けられます。
作る前に、3つだけ書き出す
テーマを決めるときは、3つだけ書き出します。
誰の不便か:自分 何に困っているか:毎日やる作業の記録が散らばる どう楽にしたいか:あとから日付ごとに見返せるようにしたい
誰の不便か:家族 何に困っているか:共有したい記録がLINEの中に流れていく どう楽にしたいか:1か所に残して、必要なときに見返せるようにしたい
誰の不便か:職場の自分 何に困っているか:同じ確認作業を毎回手でやっている どう楽にしたいか:チェックすべき項目を一覧で見えるようにしたい
この3行が書けたら、AIへの相談はもう簡単です。
「こういう不便を解決するツールを作りたい。最初に必要な機能を3つに絞ってください」
これで、具体的な答えが返ってきます。
小さく始めるほうが、最後まで行きやすい
個人開発は、最初から大きく作ろうとすると止まります。
機能を増やしすぎる。画面を増やしすぎる。最初から公開を考えすぎる。 こうなると、完成が遠のきます。

- 自分だけが使う
- 1つの作業だけに絞る
- 1画面だけ作る
- 入力項目を少なくする
このくらいで十分です。
最初の目的は、立派なサービスを作ることではなく、自分の不便が少し減るかを確かめること。
小さく作れば、試しやすい。 試せば、直すところが分かる。 直せば、少しずつ使いやすくなる。
個人開発は、完成形を作るより、使いながら育てるほうが向いています。
AIに相談するときも、課題から伝える
AIへの相談も、技術からではなく課題からです。
Next.jsとSupabaseで記録アプリを作りたいです。 どんな機能を入れればいいですか?
これだと、技術前提の答えになります。
家族で毎日の記録を共有したいです。 LINEだと情報が流れてしまい、あとから見返しにくいのが困っています。 最初に作るなら、どんな機能に絞るとよいですか?
こちらなら、課題に合った答えが返ってきます。
技術はあとから選べます。 でも、解決したいことが曖昧なままだと、何を選べばいいかすら決まりません。
まとめ:個人開発は、解決したいことから始める
AIのおかげで、非エンジニアでも個人開発に挑戦できるようになりました。
だからこそ、最初に考えたいのは何を解決したいのかです。
誰の不便か。 何に困っているのか。 どう楽にしたいのか。
この3つが見えていれば、テーマは決まります。
最初から大きなものは要りません。 自分の不便から。1人で使うものから。毎日少し楽になるものから。
技術はあとから学べます。 でも、解決したい不便が見えていないと、どんな技術を使っても迷う。
技術のことばかり気にして迷子になった私からの、これが報告です。
関連記事
AIで開発するなら、まず一度作ってみることの意味はこちらです。
→ AIで開発するなら、車輪の再発明でもいいから一度作ってみる
実際に家族用アプリを作った体験はこちらです。
コードを書く前に、画面を言葉にする整理はこちらです。
→ AIにアプリ開発を頼む前に、画面イメージを言葉にする理由
非エンジニアがClaude Codeで感じた壁と乗り越え方はこちらです。
→ 非エンジニアがClaude Codeでアプリを作るとき、最初に感じた壁
ナギのまとめコメント
個人開発を始めたとき、私は技術のことばかり気にしていました。
でも、途中で気づきました。 技術より前に「何を解決したいか」がはっきりしていないと、作っている途中で必ず迷う。
誰の不便か。何に困っているか。どう楽にしたいか。
この3つを最初に書き出すだけで、AIへの相談も、機能の取捨選択も、驚くほどやりやすくなります。